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〒881-1301 宮崎県児湯郡西米良村大字越野尾134
神楽は鵜戸神宮の流れを汲むといわれる。鵜戸権現の別当をしていた濱砂淡路守重賢が、帰省して編み出したともいわれる。
鵜戸門流神楽は、銀鏡では「門外不出」として厳禁されていたが、
八重(東米良) の祓立の住人弥吉が、禁を破って八重に伝えた。
八重の人々が修得して、銀鏡神社の祭礼に奉納したところ「大変
良くできた」といって「ヤカン飯」(チョカン飯ともいい村八分のこと)
くわされたという。
昭和の始頃、二軒橋で鍛冶屋を営んでいた、濱砂徳次郎は、祭典の講習会に楽を入れることを提案し、笛、太鼓の練習が始められ
楽を修得すると、次は楽だけでは物足らず、神楽まで習うようにな
った。
昭和六年八重に師事して習うことになった。師匠は、省吾、
角蔵、中平、熊夫、久吉、彦馬、彦造であった。練習日には、二・三人交替で、午後五時頃八重をたち山之戸越えで、越野尾公会堂(公民館) に着き、夜中の零時頃迄もけいこが続き、寒空の中に笛太鼓の音が響いた。
師匠の手当は、金五十銭と、ハゼ・ローソク一本又は二本で、賃金としては当時の日当より高額で羨ましく思う人も居たという。
いろんな苦労があって神楽の伝授がなされたが、だんだんと続くうちに、公会堂周辺の人々から苦情が出はじめたので、学校上の一軒家演砂寅雄宅借りたり、昭和十三年頃からは、向いの河野キヌエ宅に移った。
昭和十七年頃第二次世界大戟も激化すると、舞手(祝子組)も一人二人と戦地に駆り出され、舞手の減少でやむなく中止を得なくなるが、戦後復活の気運も高まっていたが、稽古宿その他の問題もあって、暫くは完全に途絶えてしまった。その間、例祭には八重の祝子を傭い夜神楽を行う事ができた。
昭和三十年中頃から九州電力はダム工事に着手、ダム完成後村づくりも整い、児原稲荷神社参道も整備され、神社まで車が上れるようになってから参詣者も日々増してきた。
昭和四十一年氏子による神楽保存会が発足し、経験者を中心として若い人達も多く参加して新しく再出発がなされるようになった。其の後も八重の師匠を傭い指導を再々受けることがありこうして漸く一人歩きができるようになった。
毎年十月八日に神道始め(神楽始め祭)を行い、手割(役割)が発表され、受持が決定するが、以前は十月三日が神道始めで三日めおきに稽古を行い、手割は祭典当日になつて発表されていたので常々稽古をなまけると多勢の見物者の前で恥をかくことになり、稽古の定めは、厳しいものがあった。
このように神楽の伝承がなされる以前は、銀鏡、小川、村所から祝子雇う事もあったと言われている。
米良の祭と夜神楽は別々には語れない。その年の五穀豊穣をよろこび神に感謝し、一年に一度の神と人との和合と、語らいのなされる日であり、神の御恵みを身近に感じ、来る歳の富と幸せを祈念し奉る日である。遠い遠い昔から、米良に住む杣人の民が培い護り受け継いできた、豊かなロマンでもある。
これからも児原稲荷神社と氏子がある限り、精神文化の美しく清らかな絆は、守り受け継がれていくことだろう。
この一年間を無事に過すことができた事を神様に感謝し、また、この地で生きる事の証(想い)を舞に込めて、星が輝く冬空の下で一晩中神楽を舞い明かす。 本来あるべき「祭り」の姿が、未だここに残る。
赤稲荷 様 白稲荷 様
1番 | 清 山 | きよやま | 清め祓いの舞 |
2番 | 花 之 舞 | はなのまい | 献饌の舞 |
3番 | 地 割 | じわり | 地鎮祭の舞 |
4番 | 初 三 舞 | はさみ | 式三番儀式の舞 |
5番 | 栗 三 郎 | くりさぶろう | 道案内の舞 |
6番 | 住 吉 | すみよし | 住居安全祈願の舞 |
7番 | 白 稲 荷 | しろいなり | 御祭神女神様 |
8番 | 幣 指 | へいさし | 諸々の幣を祭る神 |
9番 | 赤 稲 荷 | あかいなり | 御祭神男神様 |
10番 | 神和(山之神) | かんなぎ | 山の神の舞 |
11番 | 水神地舞 | すいじんじまい | 水神様お供えの舞 |
12番 | 水神男神 | すいじんおとこがみ | 水のことを司る神 |
13番 | 水神女神 | すいじんおんながみ | 水のことを司る神 |
14番 | 大国主地舞 | おおくにぬしじまい | 大国主お供えの舞 |
15番 | 大国主尊 | おおきにぬしのみこと | 福徳の神の舞 |
16番 | 神 崇 | かんすい | 東西南北中央五方の舞 |
17番 | 壮 巖 | しょうぐん | 別に弓将軍、悪魔祓舞 |
18番 | 柴 荒 神 | しばこうじん | 三方荒神柴の舞 |
19番 | 祝 詞 | のりと | 柴の儀問答の舞 |
20番 | 一人剣の舞 | ひとりつるぎのまい | 三十三童子代表の舞 |
21番 | 綱荒神地舞 | つなこうじんじまい | 綱の神お供えの舞 |
22番 | 綱 荒 神 | つなこうじん | 綱の儀の舞 |
23番 | 祝 詞 | のりと | 綱の儀問答の舞 |
24番 | 綱 神 楽 | つなかぐら | 蛇神退治の舞 |
25番 | 大 神 | だいじん | 天之盤戸之中鎮座 |
26番 | 伊勢神楽 | いせかぐら | 宮司之舞 |
27番 | 手力男命 | てじからおのみこと | 天之盤戸開き之舞 |
28番 | 戸破明神 | とやぶりみょうじん | 盤戸前神楽始の舞 |
29番 | 白蓋鬼神 | びゃっかいきじん | 天地を称える舞 |
30番 | 室 之 神 | へやのかみ | 子孫始まりの舞 |
31番 | 傘 外 し | かさはずし | 童子病除の舞 |
32番 | 鎮守り(繰下ろし) | ちんじゅ (くりおろし) | 神楽締くくりの舞 |
33番 | 成就神楽 | じょうぜかぐら | 神楽終わりを告げる舞 |
宮 神 楽 | みやかぐら | ||
神送り(杵搗) | かみおくり | 火の神送り |
※夜神楽の拝観料は無料です。 防寒対策の上、お気軽に起こし下さい。
婦人会が温かいうどん等を準備しております。
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